復興庁が15日、福島第一原発事故による被災者支援を目的とした政策を公表した。
しかし、政策内容は、福島の自主避難者に対する帰還・定住を促す政策など、すでに発表されているものがほとんど。
唯一、新しいものとして、高速道路の無料化を、自主避難者まで拡充する政策が提示されたものの、去年6月に成立した「原発事故子ども・被災者支援法」で謳われている国の責任による健康診断や避難の権利などに関しては、一切触れられなかった。
復興庁がとりまとめた政策は「原子力災害による被災者支援施策パッケージ」と名付けられ、放射能の影響で屋外で遊べない子どものために、屋内の運動施設を整備することなどが盛り込まれている。
また、高速道路の無償化に関しては、福島県の浜通りと中通り、宮城・丸森町からの母子避難者らを対象に、避難先から避難元までの最寄りのインターチェンジ(IC)間を無料にするとした政策が発表された。
復興庁の根本大臣はこのパッケージについて、15日朝の記者会見で「健康上の不安を抱えたり、生活上の負担を強いられている皆さんに対して、不安の解消や安定した生活の実現が大きな目的」とした上で、「支援法の目的・趣旨をしっかり読み込んで、具体的な施策を取りまとめたものが、今回の政策パッケージ」「子ども被災者支援法による必要な施策については、この対策で盛り込んだ」との見解を示した。
これに対して、「放射能から子どもたちを守る福島ネットワーク」など25団体は、同パッケージは、原発事故子ども・被災者支援法の理念と深刻な被害実態を踏まえていないとして、緊急声明を発表した。
声明では、被災者・支援者の意見が反映されていないことや支援の対象地域が被災三県や福島県の一部に限定されるなど、非常に狭いことなどを指摘している。
「原発事故子ども・被災者支援法」では、「基本方針」を策定する際に、被災当事者の意見を反映させることや、支援対象地域を定め、具体的な施策を実行すること、また、国が責任をもって健康調査を行うことなどが定められている。
原子力災害による被災者支援施策パッケージ(復興庁 3月15日公表)
http://www.reconstruction.go.jp/topic...
根本匠復興大臣のコメント(3月15日の記者会見)
http://www.reconstruction.go.jp/topic...
原子力災害による被災者支援施策パッケージに対する緊急声明
http://shiminkaigi.jimdo.com/お知らせ-イベント/
原発事故子ども・被災者支援法法文(2012年6月27日成立)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H24/H...
original OurPlanetTV
https://www.youtube.com/watch?v=8bsAFfju7UA