<中日0-2巨人>◇20日◇ナゴヤドーム
エースの不敗神話が、チームの連敗を止めた。巨人菅野智之投手(26)が8回無失点と好投。両チームゼロ行進で9回で決着がつかず、延長戦に突入したが、11回に暴投と大田の適時打で2点を奪った。菅野の登板試合では、9試合で5試合が延長戦。クオリティースタート(QS)率(6回以上で自責点3以内)は100%を誇る抜群の安定感で、9戦を7勝2分けと貯金を量産している。
チームメートとハイタッチを重ね、菅野は白星の味をかみしめた。8回を投げ、6安打無失点。登板9試合目で5度目の延長戦を制し、自身の不敗神話を継続させた。「チームが勝って良かったです」。5奪三振で球団新記録の4試合連続2ケタ奪三振は逃したが、「0点に抑えるのが仕事」。チームの連敗を2で止めた結果が全てだった。
中日バルデスとの息詰まる投手戦で1歩も譲らなかった。「久しぶりに苦しいピッチングだった」と振り返ったように、3回を除き、毎回走者を背負った。それでも、場面、自らのボールを冷静に分析。ビシエドも無安打に封じるなど、多彩な引き出しでゼロを刻んだ。今季のテーマに「圧倒」を掲げるが、投球スタイル同様に結果でも証明。9試合でQS率100%とチームに勝利を呼び込む。
「エースの試合は全部勝たないと」。主将坂本が代弁するように、高橋監督も勝利のために動いた。体調不良での欠場を除き、不動の4番だったギャレットを6番に下げ、クルーズを4番に上げた。ルーキー重信を昇格即スタメンで使って、7番には大田を起用。「流れを変えることは必要だと思った」(高橋監督)。エース、監督の執念が延長戦で実を結んだ。
連続適時打なしに終止符を打ったのは、その大田だった。延長11回、暴投で1点を先制し、なおも2死三塁。中前にはじき返し、チーム36イニングぶりの適時打を放った。
大田 野球人として、一番ダメなプレーをしたので。自分を戒めたい。
振り返ったのは9回無死一、三塁で、遊撃へのライナー性の打球をダイレクト捕球と自己判断。一塁に走らず、痛恨の併殺打で流れを断ち切った場面だった。「打つしかないので」。汚名返上の一打で、チームの延長戦不敗神話も8試合に継続させた。【久保賢吾】
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