犬がしっぽを振って表す感情表現は、ほかの犬にも伝わっていると、イタリアの研究グループが発表し、犬どうしのコミュニケーションを知る手がかりになるのではと注目されています。
研究を発表したのは、イタリアの大学教授らで作る研究グループで、先月31日、アメリカの科学誌「カレント・バイオロジー」に論文を掲載しました。
研究グループはこれまでも犬の感情表現について研究していて、犬が飼い主を見つけたときなど、親しみを感じているときはしっぽを右に、見知らぬ犬に出会った時など、脅威を感じる時はしっぽを左に振る傾向があることを明らかにしています。
今回、この研究グループは、それぞれ右と左にしっぽを振る犬の映像をほかの犬に見せて反応を分析し、犬どうしでもこうした感情表現が伝わっているかを調べました。43匹の犬で実験を行った結果、脅威を感じてしっぽを左に振る犬の映像を見た犬は、しっぽを右に振る犬の映像を見たときに比べて、心臓の動きが激しくなったほか、落ち着きのない行動が多く見られたということです。
研究グループでは犬が左右にしっぽを振って示す感情表現は、ほかの犬にも伝わっていることが分かったとしていて、今後、犬どうしのコミュニケーションを知る手がかりになるのではと注目されています。